アルモリノナカデ

 

 

あえて言うならこれは過去の話。簡単に言うと未来は知らない話。まあ頼むから、未来は知らないつもりで受け流してくれるとうれしい、というのはある人の心境。

 

俺の心境は・・・・・

 

 

 

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「ラリランッ♪」

 

 

 

「ラルランッ♪」

 

 

 

クスの木の切り株の上で子猫が跳ねている。まだプニッとした肉球に木屑を貼りつかせながら跳ねている子猫の一匹が切り株から滑り落ちる。

 

 

 

「タルトッ!!」

 

 

 

もう一匹が足を滑らせた子猫を心配して身を乗り出す。たいしてついていない筋肉をピンッと張って弟を探す。(成猫の背丈くらいだが子猫からみると家の塀から落ちたような感覚)

 

下の方から元気そうな声がする。血の匂いもしないし、元気なようだ。おそらく『力』を使ったのだろうか?

 

 

 

「だいじょーぶだよお。ソルト!!」

 

 

 

ソルトと呼ばれたもう一匹はほっとしたように力を抜く。が、力を抜いた途端に滑り落ちる。

 

「ワアアアア!!」

 

 

 

「なあにやってるの?ソルト。」

 

落ちたところはタルトが『力』で作った、葉っぱの布団の上でキャッキャと笑う弟の姿があった。

 

「むうっ。笑うな!!このやろ!!」

 

「ニャアア!!」

 

タルトはソルトに飛びかかった。ソルトはひょいっと横へよけてかわし、バランスを崩した兄の足にいつの間にか出現させた葉っぱの剣を振り下ろす。

 

「ウギャオウ!!」

 

危機一髪で交わしたタルトが剣に雷を落とし、葉っぱが燃え上がる。

 

「わあっ!!」

 

燃え上がる葉っぱが地面に落ちて草が燃え始める。

 

「どうしようっソルト!!」

 

「そんなこと言われても・・・、あっソウルにーちゃん!!」

 

ソルトが燃え上がる草花の真中で嬉しそうに叫ぶ。

 

 

 

「なあにやってんだお前ら・・。」

 

 

 

ソウルにいちゃんこと、ソウルビートが呆れたように鼻を鳴らし、後ろから来ていたシャインに向かって話しかける。

 

「おい。これ、消せ。」

 

「ちょっと!!わたし、貴方の部下じゃないのよ!!上司に向かってそれは!!」

 

「わーった、わーった。だから消せ。」

 

「「わかってないよね、ソウルにーちゃん。」」

 

 

 

 

 

「いいから消せ!!(怒)」

 

 

 

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ああもう。この世はうっさい奴ばっか。この美しい緑が半分以上灰になるまで俺に言うか?

 

 

 

普通。いわねえだろ。

 

 

 

「ねえ、ソウルにーちゃん。それなあに?」

 

うっさい弟だぜ・・。

 

 

 

『・・・説明しよう!!このうるさい弟、ソルトとタルトは双子なのだ!!ソルトが兄、タルトが弟であーる。』

 

 

 

「誰に向かって言ってるの?全員知ってるよ・・・。」

 

俺は忙しいのだ。なんだかんだ言っても主人公だし。それに俺にはこの美しい世界を護る義務があるのだ!!(ジャーン)

 

・・・にしても、俺が今背負っているこいつ。どう見ても『天軍』には見えない。翼はあるが紅いし、まずこちら側が穢れていると嫌うあいつらが『魔軍』側へ来るとは思えない。来るとしたら襲撃の合図だ。

 

 

 

「ねえ、ソウルビート。こいつって一体・・。」

 

 

 

シャインはうっさいし、うざいが頭は空じゃない。悔しいことに弟たちの頭はスポンジのようにスカスカだが。現に今、ソルトもタルトもハリホレ~といった感じの顔をしている。

 

 

 

 

 

「ぬおわっ!!」

 

 

 

 

 

下を向いて歩いていたから気付かなかったのだろうか?この俺が?いや、注意していてもわからなかっただろう。だって・・

 

 

 

 

 

相手は副長だもの・・。

 

 

 

「なにしてる?それ・・敵じゃないのか?」

 

 

 

 

 

黒い影のような猫の周りに立ち込める霧が段々犬の形になっていく。ソルトとタルトが怖がって自分の後ろに隠れるのがわかる。が、

 

 

 

「痛い痛い痛いってー!!」

 

 

 

怖くなると匂いの代わりに雷を帯電するのはやめてほしい。この俺の美しい毛並みが焦げてしまうではないか!!

 

とかいってるうちに副長は勝手に納得していた。

 

 

 

「なるほど。紅い翼か・・・、予言の猫かな?」

 

 

 

といって勝手に去って行った。

 

 

 

「相変わらずサタンは嵐のような猫よね・・・。」

 

 

 

「そうだよねえ~」

 

 

 

「副長さんは~」

 

 

 

「強いけど~」

 

 

 

「不思議な猫なの~」

 

 

 

「まっほんとは優しい奴なんだけどな・・。」

 

 

 

 

 

 

 

まてよ・・。今さっきアイツなんていった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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こんにちは!!鵺です。やっと第一章ですね・・。今回はソルト(塩)とタルト(読んで字のごとく)、サタン、この三匹が初登場。一番最初の奴らは一体誰でしょうか?

 

では妖獣、神獣紹介です。

 

 

 

 

 

 

・ドラゴン   :皆さまおなじみ、ドラゴンですね。闇の象徴ともされ、とっても強いのです。ドラゴンは日本で言う龍。外国では宝を護る守護者と言わ                    

 

ので                 れている。

 

・シルフ    :シルフはパラケルススが定めた四大精霊のうち風を司る妖精。人々に姿を見せない半透明の妖精。

 

 

 

・フェニックス :フェニックスは炎の中から蘇る永遠の命を持った不死鳥です。ハリーポッターで有名なあれです。ダンブルドアのあれねww人生は

 

          だいたい五百年くらいだそーです。

 

・フェンリル  :フェンリルは北欧神話に出てくる世界の終末『ラグナロク』の時最高神オーディンを滅ぼした巨狼であ~る。神々でさえ一時もとどめ

 

          て置けなかったという。

 

・ケルべロス  :冥府を護る地獄の番犬。