プロローグ1

その猫は夢を見ていた。今までにない夢だ。

 

(・・・。なんだここは?)

 

森の中にぽつんと小さな池がある。その湖水が月光を反射し銀色に輝く。

 

「これは・・・。」

 

彼の予想は的中した。自分の胸にある、輝きを失った石が池に共鳴している。

 

「なんのようだ?メテオスター!!」

 

彼が言うとともに銀色のオーラを纏った猫、スター族族長、メテオスターが現れた。

池の水の上に沈むことなく降り立ったその魂は彼にこう言った。

 

「森に新たな脅威が迫っている。力を貸してほしい。」

 

「俺は部族を捨て、滅ぼそうとした男だぞ?連中が俺の言うことを聞くとは思えんな。」

 

「今回のことは四部族だけの問題ではない。最悪、この世界の生態系をひっくり返されかねないのだ!」

 

(ひっくり返すだと!?生態系をか!?)

 

「はっはっは!!生態系をひっくり返すような存在相手に俺がどうしろって言うのさ!」

 

「お前にはそれをなしえる力があるのだ。そして同じ力をもった仲間とともに、奴らの侵略を阻止してくれ。」

 

「ふん、侵略か・・・。まあいい、最近運動不足だからな。のってやるさ。」

 

彼は鉤爪をぺろりと舐めながら言った。

 

「頼んだぞ。」

 

光となって消えていくメテオスターを見送りながら、あの湯から帰ってきた男、クラッシュテイルは期待に胸を膨らませていた。