キャンプの激闘、後篇

 

 

「てりゃあ!」

サソリのように襲いかかる敵のの刃をグリフィンは蹴り返した。

しかし、敵はひるまず反撃してくる。奴は俺並みに身軽で俊敏だ。それに加え尻尾と爪、牙の連携は崩しにくい。

 

「そら、どうした?その程度じゃないだろ!?」

 

敵のパンチを受け流し、カウンターで殴る。

さらに飛び上がってキックを食らわせた。

「うおっ!?…ひゃはははは!そうだ!それでいい!」

クラッシュテイルはさぞ愉快そうにに襲いかかる。

 

「ちっ、サソリ野郎が…!」

グリフィンはバックステップでかわし、尻尾を抱えて投げ飛ばす。しかし敵もくるくる回りながら着地する。

 

「ククク、どうやら、お前が一番遊べそうだ…嬉しいぜ!」

 

クラッシュテイルはニヤリと笑いながら飛びかかる。

 

グリフィンも地面を蹴って真っ向から対峙する。

二つの斬撃が交差した!

 

一瞬の間の後、グリフィンの肩から血が噴き出す。

「ちっ!」

「ふぅん!」

クラッシュテイルが刃に血を舐めて止めの突きを繰り出す!

「ちぃっ!」

グリフィンはとっさに防御の構えをとったが、勢いのついた凶刃を止めきれず前脚からも血が出る。

 

「消えろ!…そろそろな。」

 

クラッシュテイルは尻尾を鞭のように一回転させ唸りを上げる刃を一直線に敵に飛ばした。

 

 

 

「二人とももっと奥へ…!」

 

ジンジャーはイエローファングとシンダ―ポーを庇いながら、ファイティングポーズをとる。

 

(まさかここに入ってくるなんて…!)

 

今、彼らは看護部屋でクローファングと対峙している。

敵は前の戦いの経験からか、じりじりと距離を詰めている。隙を見て飛びかかるつもりだろう。

 

「キシャシャシャシャ!イエローファングか、久しぶりだナ。」

「ああ、そうだね。だがあたしは二度と会いたく無かったよ…!」

「シャシャシャシャシャ!だろうナ。ラギットスターにトドメを刺したのは俺だからナ。」

 

「あんたは最低の猫だよ!」

 

「キシャシャシャシャ!自分がいい子だなんて思ったことは一度もないゼ。」

 

更に歩みを進めるクローファング。来るか!

しかし事態は予想外の展開を見せた。

 

「うん?ナンダこれは?」

クローファングが足元にあった皿に気付いたのだ。そしてその中身にも。

「ふぅん、どれどれ…。」

 

彼は何の抵抗もなくそれを飲み干し、

 

「…!キシャシャシャシャ!オイッ!ジンジャーって言ったナ、お前。」

 

「…!?」

「お前を食うのは当分延期ダ。もう一杯よこせ!」

 

クローファングは口元を緑に染めておかわりを求めた。

 

 

 

ビュン!

 

空を切って刃が迫る。

 

(やばい!)

グリフィンは前足を顔の前で交差させ、守ろうとした。

 

しかし、いつまでたっても刃が突き刺さらない。なぜならば、

 

「なっ!マンティスキット!」

マンティスキットがクラッシュテイルの尻尾に噛みついてグリフィンを助けたのだ。

 

「っ!チビが!邪魔するな!」

クラッシュテイルが苛立ったように尻尾を振るって彼女を投げ飛ばした。

 

「あぶない!」

グリフィンはとっさに体を投げ出して彼女を守った。

「グリフィン、大丈夫?」

「ああ、おかげさまでな。だが無理はするな……ぐっ!?」

グリフィンは今度は横腹を切られた。

 

「何をしている?せっかく俺が主催してやった祭りだ…戦えよ!」

苛立った狂戦士が返り血で赤黒く染まった尻尾で地面に赤い斑点を描く。

 

「喧嘩フェスティバルは得意だが、この子には爪一本触れさせねぇぞ…!」

 

グリフィンは怒りの眼光で相手をにらむ。

 

「ふんっ!それくらいでなくちゃな!」

 

クラッシュテイルの刃が再び襲いかかる。

しかしグリフィンは片方の前足でそれをはじき返し、敵の眉間にぶつける。

 

「うぐっ!?」

「フィナーレだ!」

ひるんだその隙に必殺のドロップキックを見舞う。

 

「ぐっ……今日はこのくらいが潮時か。」

 

蹴り飛ばされたクラッシュテイルは起き上がるなりアクロバットな動きでグリフィン達を飛び越え、逃亡した。

 

周りもそれに合わせて撤退する。

 

(やったか…。)

 

「グリフィン!」

ジンジャーが駆け寄ってくる。

 

「-!その怪我!」

「ふっ!こんなの傷のうちに入んないさ。知ってるだろ?俺は治りが早いって。」

 

「けど手当ては必要です。」

「分かってる。はっ!そうだ、大丈夫かリトルガール。怪我はないか?」

 

「うん。でもグリフィン…。」

 

心配で泣きそうな彼女にグリフィンはいつものニヒル笑いで言った。

「大丈夫、俺みたいな翼猫は怪我も早く治るさ。それと…さっきはありがとうな。マンティスキット。」

 

そう言って、頭を優しく舐める。

 

(にしても、今回もほんとにデンジャラスな寄り道になったな。)

まあいいさ、くるならこいだ!せっかくできた仲間を見殺しにはできないからな。

グリフィンは敵の逃げ去った方向をにらんで強く心に決めた。